インプラント治療と歯周病治療のミニガイド
 
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歯周病治療の基本(やや専門的)
  歯周病の原因(やや専門的)
 
歯周病は歯の周囲やポケット内で増殖した細菌による感染症です。歯周病菌は菌の体内に内毒素(LPS)という毒素を持っていますが、細菌の増殖とともに、古い細菌が死ぬと、次々とこの毒素がポケット内で多量に放出されることになります。細菌の量が増え、古い細菌が多くなればなるほど、この毒素の量が多くなることになります。この毒素は人間の免疫系統に感知されやすい物質なため、周囲の歯肉の免疫機構がこれを感知し、周囲およそ2mm以内の範囲にこれらの毒素を処理するための白血球が沢山集まってきます。これらの白血球はこの内毒素を壊そうと種々の物質を放出したり、毒素を取り込んで死に絶えたりします。これらの反応の結果、自分自身の歯肉の細胞内のコラーゲン繊維がこわれ、歯ぐきがぶよぶよになって行きます。これが歯肉の炎症です。
このような状態が続くと、人間の体はさらに進んだ防御策をとろうとします。今度は、自分自身で、歯を支えている骨を溶かし、毒におかされて危険な歯を排除してしまおうとするのです。破骨細胞という骨を壊す細胞を出動させ、歯を支えている骨を少しずつ、溶かしてしまいます。
意外かも知れませんが、直接歯ぐきや骨を壊しているのは、細菌ではなく細菌から身を守ろうとする自分自身なのです。
このように、歯周病とは細菌の毒素とその毒素に対する、人間側の反応によって歯周組織が壊されてしまう疾患です。そして、これらの反応にはかなり個人差があります。同程度の細菌量でも、ほとんど反応しない人と少量の細菌でも大きく反応してしまう人があります。年齢によってもその反応は異なり、40歳以上になるとその反応は強くなる傾向にあります。このような歯周病の発症や進行に影響する因子を、歯周病のリスク因子と呼びます。現在わかっている歯周病のリスク因子としては年齢のほかに、喫煙、糖尿病、肥満、ストレス、女性では妊娠、ピルの長期間服用などがあります。これらの因子を除外することが出来ると、臨床的にも歯周病の治療が非常にスムーズに進みます。
また、10%の人は遺伝的に歯周病になり易い遺伝子をもっており、十分なプラークコントロールをしているにもかかわらず、進行してしまう場合もあります。ご両親のどちらかが、若いうちから多くの歯を失っている場合には少し注意が必要かもしれません。;
 
歯周病の原因
白血球が集まってくる
LPSを壊す

歯肉のコラーゲン繊維が壊れる

・歯肉がぶよぶよになる
・骨を壊す細胞が出てくる
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  歯周病の治療の基本
先に述べた、白血球を刺激しない口腔環境を長期間保つことが初期の治療となります。歯の周囲で細菌の内毒素が増えないように徹底的にきれいな状態を保つことです。そのためには十分時間をかけて、丁寧にブラッシングを行い、白血球が反応しない量まで細菌や内毒素の量を減らして行かなければなりません。  
細菌は数秒で分裂し増殖を始めますので、わずかなプラークの残りでもそこからすぐにまた数が増えてしまいます。
虫歯の細菌は食物中の糖分を栄養源にしますが、歯周病菌は必ずしも人間の食べ物から栄養をとるわけではありません。ポケット内で剥離してきた粘膜や、血液のかす、唾液中の種々の物質から栄養を採りますので食事をしていなくても増殖します。また、歯石は細菌や内毒素がたまりやすい環境を作り出すので、とったほうがよいのですが、歯石や目に見えるプラークが無い所でも細菌や内毒素は付着していますので、目に見える汚れだけが敵ではありません。
治療開始直後の歯肉の炎症が強い状態では、無理に深いところの歯石を取ろうとすることによって、かえって弱っている歯肉を傷つけ、炎症の範囲を広めて治癒を遅らせてしまいます。適切なブラッシングにより、荒馬を静めるかのように、ゆっくりと歯肉の炎症を抑えていかなければなりません。
歯肉が徐々に引き締まってきてところで、少しづつ深い部分のクリーニングをして行きます。私たちも目の前にある歯石を目の前にするとつい、つい早く取りたくなってしまうのですが、歯周病の治療の初期には歯肉の炎症の軽減をじっくりと待つことも治療のひとつなのです。
歯周病の治療では、ブラッシングが大切な治療です。健康な歯肉の人が健康な状態を保つために必要なブラッシング時間の、倍以上の時間をかけてブラッシングをして行かなければ、歯肉の炎症はなかなかおさまってくれません。時間をかけてブラッシングをすることによる歯肉のマッサージ効果で、血行が促進され、歯肉の栄養状態も良くなり、老廃物の排除もスムーズに行われるようになります。
このように歯周病治療の基本は、適切なブラッシングによる、プラークコントロールと歯肉のマッサージの習慣を身につけていただくことであり、このことがもっとも重要な治療のポイントとなります。
プラークがついてから、その部分の歯肉に炎症が起き始めるまでには約72時間かかることがわかっています。仮に1回のブラッシングで、お口の中の汚れを100%完全に取り除くことが出来るとすれば、歯周病に関しては、理論的には最低3日に1回のブラッシングで十分予防できるということになります。しかしお口の汚れを100%取り去ることは到底不可能ですので、1日1回、時間をかけて、丁寧にブラッシングをすれば良いということになります。ただしこれはあくまでも歯肉の炎症に関してのお話で、虫歯予防の観点からは最低1日2回のブラッシングがどうしても必要ですのでご注意下さい。
口の中には300から500種類もの細菌が住んでいます。そして、その中には、私たちの健康を守るために必要な善玉細菌も沢山います。ですから、口の中を無菌的にすることは不可能ですし、また、無意味なことです。歯周病の治療のためのブラッシングは、1日1回は丁寧にブラッシングをして、内毒素を放出し易い、古い細菌がたまらないようにすることが主な目的となります。
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